現金・ETFリバランス投資シミュレーション (取り崩しなし) 

ETFリバランス投資

概要

 総資産を定期的に現金とETFをリバランスし続ける投資法でどの程度利益を上げられるかをここ10年間でシミュレーションしました。

サクソバンク証券

背景

 FIREしている場合、労働収入はあまりないので、ETFを定期定額積み立てするのは難しいと感じています。ですので、最初に一括購入した後、一定額の資産を定期的に現金とETFでリバランスし続ける投資法でどの程度利益を上げられるかをここ10年間でシミュレーションしました。

投資方法概要

一定額の資産を、現金とTQQQなどの特定のETF銘柄を現金:ETF=50:50にリバランスして運用します。

投資銘柄について

 TQQQ, SPXLが良いと思います。

下の表は各ETFの2010年末に対する2020年末のETF価格の倍率です。

銘柄TQQQSPXLFASQQQVTIXLF
ETF自体の
10年後倍率 (-)
59.011.98.75.83.03.0

 ここ10年間でTQQQは59倍、SPXLは約12倍、FASは約9倍です。

 米国の株式市場が基本的に拡大傾向にある理由は、ドルが世界の基軸通貨であり他国の継続的な米国債購入により資金が流入し続けること、年金運用を株式で行う仕組みが整っており資金が株式市場に流入し続けること、将来にわたって人口が増加し続けるため、年金ファンドの資金が増加し続け、年金ファンドの主な運用先は株式であるため、株式市場に資金が流入し続けること、米国の株主が企業に株価の成長を厳しく課すこと、によります。このすべての条件を満たすのは米国だけだと思います。

先進国の人口動態

下表は国連による、1950年から2100年までの、予測を含む、先進国の人口動態及び、1950年を1とした時の人口の増減率です。

先進国では米国、インドのみが2050年まで人口上昇する見込みです。

日本は2000年付近から、中国は2020年付近から減少に転じています。

最適リバランス間隔について

 リバランス間隔は3か月で良いと考えます。

 下のグラフはリバランス間隔を1か月から6か月まで変更しながら、現金:TQQQ=50:50でリバランスしながら2010年末から2020年末まで運用シミュレーションしたときの10年後資産倍率です。

上記から、資産倍率はリバランス間隔にあまり依存してないように見えます。

TQQQについて、1回あたりの利確幅(何%上昇したら利確するか)を1%~100%まで変えながらケリー基準に従い売買した場合の資産推移をシミュレーションした結果、10%~75%までの間では利確幅と資産推移の関係はランダムに見えます。

 このことから資産推移を最も大きくする最適な利確幅は将来のETFの価格挙動に依存し、事前には予測できないと考えます。一方、10%未満の利確幅が狭い範囲では資産増加速度が低下します。取引手数料が増加することの影響と思われます。これらのことから、利確幅10%~程度であろうリバランス間隔は3か月以上1年以下程度かと思います。ですので、変動率10%程度でいったんリバランスを行う、という考え方で、リバランス間隔は3か月で良いと考えます。

最適現金:ETF比について

  現金:ETF=50:50 にしています(レバレッジ3倍ETFの場合)

 TQQQをケリー基準に従い売買シミュレーションから、TQQQを2011年~2020年運用したときに資産が最大化したレバレッジ倍率は1.2倍でした(CFDなら可能です)。感覚的には、この数値はQQQに対して3.6倍(1.2 x 3)くらいレバレッジがかかっていると思います。

 ただ、資産が最大化するレバレッジ比率はETF銘柄及び前提とする市況により異なり、将来はわからないと思われます。主に影響するのは成長率とドローダウンで、成長率は高いほど、ドローダウンは小さいほど最適レバレッジは大きくなる傾向があります。現金:ETF=50:50はケリー基準の半分程度であるハーフケリーに近い水準だと思います。QQQの1.5倍レバレッジに調整しているいうことになると思います。

計算方法

 以下の条件にて計算しています。

  • 対象銘柄:TQQQ, SPXL, FAS
  • 計算期間:2011年1月頭~2020年12月末
  • 初期投資額:2000万円
  • 為替: 110円/ドルで固定
  • 取引手数料: 0.2% (売・買時両方。サクソバンクの取引手数料を参考にした。)
  • 初期投資:初日に投資額の半分を購入
  • リバランス間隔:3か月に1回、1月, 4月, 7月, 10月最初の営業日に実施。
  • リバランス比率:現金:ETF=50:50
  • 株価: Yahoo Finance USAデータを使用
  • 使用言語: Excel VBA
  • 税金:計算が煩雑になるため、今回は残念ながら考慮していません。

試算結果一覧

銘柄毎比較

下の表は銘柄毎の計算結果です。

銘柄TQQQSPXLFASQQQVTIXLF
ETF自体の倍率 (-)59.011.98.75.83.03.0
現金:株リバランス比率 50:5050:5050:500:1000:1000:100
10年後資産倍率11.95.24.45.83.03.0
平均利回り30.9%19.5%18.9%20.2%12.3%10.1%
資産ドローダウン41.0%40.0%45.0%29.0%35.0%43%
恩株化年数 (年)3.23.54.0

 まずは選定銘柄ですが、レバレッジETFからはTQQQ, SPXL, FASを検討しました。比較対象としてQQQ, VTI, XLFを追記してます。こちらは現金:ETF=0:100の一括購入です。

 表中、ETF自体の倍率は2010年末から2020年末までの各ETFの倍率です。TQQQは10年間で59倍にもなっていました。QQQを3倍してもこの数値にはならず、大きな差がでております。

リバランス比率は四半期ごとにリバランスする際の現金:ETF=50:50の比率, でリバランスしています。

表中の資産倍率は2010年末に対して何倍の資産となっているか、です。TQQQリバランスは11.9倍, SPXLリバランスは5.2倍, FASリバランスは4.4倍でした。

表中の資産ドローダウンは運用時最大資産からの下落率です。小さいほど資産の最大値からの下落が小さいことになります。

 恩株化年数は元本の2倍になるのに要した年数です。概ね4年程度で2倍になりました。

相対資産推移比較

 下のグラフは投資開始時を1としたときの相対資産推移です。資産推移の順はTQQQ>SPXL>FASでした。

 下のグラフは過去最大値を1としたときの相対資産推移です。FASの下落からの戻りが遅いことが分かります。

まとめ

 総合的に考えて、リバランス投資を行うのであれば、TQQQ, SPXL, を投資するのが良いかと思います。

口座開設

 TQQQを検討したい方は、下記バナーより口座開設をお願いします。サクソバンクではTQQQをCFDで購入可能です。

サクソバンク証券

シミュレーション結果

TQQQリバランス投資結果です。取り崩しなし・現金比率50%です。

SPXLリバランス投資です。取り崩しなし・現金比率50%です。

FASリバランス投資です。取り崩しなし・現金比率50%です。

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