概要
取り崩ししながら総資産の半分をCUREで定期的にリバランスし続ける投資法でどの程度利益を上げられるかをシミュレーションしました。
今回の計算では、資産は10年間で約1.7倍に増えました。CUREはヘルスケアセクターのレバレッジ銘柄であるため、ディフェンシブなセクターとなります。ショック時の下落が比較的小さく、本投資法に比較的向いていると思います。
背景
2011年から2020年末まで10年間、毎月ナスダック100をレバレッジを掛けて売買したとき、3.6倍レバレッジを掛けると10年後の資産が最大になりました。ハーフケリーで考えると1.8倍程度が資産推移を考慮すると適切なレバレッジ倍率になるのではないかと考えます。これはレバナスよりはちょっと低く、TQQQの半分よりちょっと高いレバレッジ倍率です。リバランス投資法はレバレッジ比率が1.5倍で運用することにより、QQQよりも資産上昇が大きく、TQQQよりも安全な資産推移となります。
今回はTQQQとの比較のため、CUREで資産推移を検討しました。
計算方法
- 計算期間:2011年1月頭~2020年12月末
- 初期投資額:2000万円
- 為替: 110円/ドルで固定
- 取引手数料: 0.2% (売・買時両方。サクソバンクの取引手数料を参考にした。)
- 初日に投資額の半分をCUREのETF購入する。
- 3か月に1回、1月, 4月, 7月, 10月最初の営業日に総資産の3%、現金部分から取り崩す(月あたり1%取り崩す。現金部の3%ではなく、総資産の3%. )
- 3か月に1回、1月, 4月, 7月, 10月最初の営業日に,生活費取り崩し後、現金:ETF=50:50にリバランスする
- 株価: Yahoo Finance USAデータを使用
- 使用言語: Excel VBA
- 税金:今回は残念ながら考慮していません。
計算結果
下のグラフは2011年6月15日から2020年12月31日までのCURE終値の推移です。

CUREの2011年6/15末の終値は4.98で2020年12月末の終値は77ドルでした。この間15.5倍になりました。CUREの運用開始は2011/6/15であったため、それ以前のデータはありませんでした。
下のグラフは現金:CURE=50:50で運用した際の資産推移です。

青が総資産、オレンジが現金資産、灰が株資産(評価額)です。今回のシミュレーションでは、資産は1.76倍に増えました。なお、取り崩し分は含んでいません。
下のグラフは資産のうちの現金部の推移です。

初期資本2000万円からスタートなので、現金部は約1000万円からのスタートになります。なお、上記現金推移には取り崩し分は含んでいません。3か月毎にリバランスしているので、デコボコなグラフになります。 2011年9月期に現金部資産は1000万円から730万円まで減少しました。しかし、2020年末には約1,467万円まで上昇しました。
下のグラフは資産倍率推移です。

2010年末を1としています。2020年末で約1.76倍になりました。 なお、取り崩し分は含んでいません。
下のグラフは現金/総資金の推移です。

3か月に1度リバランスしてます。概ね、現金比率0.4~0.5のところを推移しています。ETFが上昇し、現金化しているためとなります。一方、株価下落局面では現金比率が高まります。今回シミュレーションした10年間で、現金比率は2020年3月のコロナショック時に最大で約0.74程度まで高まりました。
下のグラフはETF保有数量の推移です。

ETF価格が下落した場合保有数量が増え、ETF価格が上昇した場合現金との比率を保つため保有数量は減少します。
下のグラフは生活費取り崩し費の推移です。

四半期ごとに総資産の3%取り崩しています。2011年6月の取り崩し額は60万円、2020年10月の取り崩し額は約91万円, 10年間の総取り崩し額は32,560,469円でした。2011年は6,7月に連続して取り崩しています。
利回り
下の表は資産推移です。
年目 | 資産額 | 利益額 | 利回り |
1 | 17,684,640 | -2,315,360 | -11.6% |
2 | 19,657,540 | 1,972,900 | 11.2% |
3 | 28,537,730 | 8,880,190 | 45.2% |
4 | 35,187,687 | 6,649,957 | 23.3% |
5 | 31,953,344 | -3,234,343 | -9.2% |
6 | 27,087,916 | -4,865,428 | -15.2% |
7 | 31,701,673 | 4,613,756 | 17.0% |
8 | 28,471,095 | -3,230,578 | -10.2% |
9 | 33,304,426 | 4,833,332 | 17.0% |
10 | 34,115,079 | 20,810,653 | 2.4% |
算術平均利回りは7.0%, IRRは7%でした。なお、取り崩し分は含んでおりません。取り崩し額を1%固定しており、取り崩し総額32,560,470円でした。
参考
下の記事にてリバランスの概論を紹介しています。
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