購買力平価 (PPP) 概要
購買力平価は理論的な為替値です。FX自動売買を低レバレッジ・長期運用する場合、今後どのように為替値が推移するか、は重要です。為替値は超長期的には、為替値はPPP値に収束する、という考え方があり、今後の値動きを予測する上でPPP値は非常に有用です。
OECDは、購買力平価を公開しています。こちらのデータを基に2000年から2020年までの購買力平価を算出しました。
過去10年間のPPP値
Year | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
EURUSD | 1.281 | 1.292 | 1.324 | 1.330 | 1.324 | 1.370 | 1.393 | 1.397 | 1.400 | 1.406 |
GBPUSD | 1.416 | 1.425 | 1.438 | 1.432 | 1.444 | 1.452 | 1.466 | 1.455 | 1.451 | 1.396 |
AUDUSD | 0.662 | 0.649 | 0.691 | 0.688 | 0.678 | 0.690 | 0.682 | 0.689 | 0.680 | 0.684 |
NZDUSD | 0.673 | 0.669 | 0.692 | 0.694 | 0.678 | 0.694 | 0.688 | 0.690 | 0.688 | 0.685 |
USDJPY | 107.5 | 104.3 | 101.3 | 103.1 | 103.4 | 105.5 | 105.4 | 104.6 | 103.4 | 103.4 |
CADJPY | 86.7 | 83.8 | 82.8 | 83.8 | 82.9 | 87.4 | 86.9 | 87.3 | 85.2 | 86.3 |
CHFJPY | 76.9 | 77.0 | 77.2 | 80.4 | 83.7 | 87.8 | 89.3 | 89.6 | 89.5 | 90.4 |
EURJPY | 137.7 | 134.7 | 134.1 | 137.0 | 137.0 | 144.6 | 146.8 | 146.2 | 144.7 | 145.4 |
AUDJPY | 71.1 | 67.7 | 70.0 | 70.9 | 70.2 | 72.8 | 71.9 | 72.1 | 70.2 | 70.8 |
NZDJPY | 72.3 | 69.7 | 70.1 | 71.5 | 70.1 | 73.2 | 72.5 | 72.1 | 71.1 | 70.9 |
GBPJPY | 152.2 | 148.6 | 145.7 | 147.5 | 149.4 | 153.2 | 154.5 | 152.2 | 150.0 | 144.4 |
BHTJPY | 5.0 | 4.7 | 4.7 | 4.7 | 4.6 | 4.5 | 4.4 | 4.2 | 4.2 | 5.2 |
MEXJPY | 14.0 | 13.3 | 12.8 | 12.8 | 12.4 | 12.5 | 11.9 | 11.5 | 11.1 | 10.9 |
EURGBP | 0.905 | 0.906 | 0.920 | 0.929 | 0.917 | 0.944 | 0.950 | 0.960 | 0.965 | 1.007 |
AUDNZD | 0.983 | 0.971 | 0.999 | 0.992 | 1.001 | 0.994 | 0.992 | 0.999 | 0.988 | 0.998 |
EURAUD | 1.936 | 1.990 | 1.915 | 1.932 | 1.952 | 1.987 | 2.042 | 2.027 | 2.060 | 2.056 |
USDCHF | 1.397 | 1.354 | 1.312 | 1.282 | 1.235 | 1.202 | 1.180 | 1.168 | 1.155 | 1.144 |
ドルストレートペア 購買力平価
AUD/USD
AUD/USDのPPPは2013年ころからほぼ一定しています。年平均為替値ともほぼ一致しています。

EUR/USD
EUR/USDチャートは下落傾向なのですが、購買力平価は上昇傾向にあります。為替値が今後上昇していく可能性はあります。

GBP/USD
値動きが激しいイメージのGBP/USDですが、購買力平価は安定していました。

NZD/USD
NZD/USDのPPPは非常に安定しており、為替値とも近いです。レンジを形成しやすい状況となっていると思います。

クロス円ペア 購買力平価
クロス円ペアのPPPです。全体的に2013年を境に一定になる傾向があります。強かった円が弱くなってきているということだと思います。
AUD/JPY
PPPは2013年を境に一定になっています。為替値はPPP値へ漸近していくと思います。

CAD/JPY
CAD/JPYのPPPは2013年から一定です。為替年平均値はそれを先取りして2009年からほぼ一定になっています。レンジを形成しやすい状況となっていると思います。

CHF/JPY
CHF/JPYのPPPはここ20年80-90で推移しています。スイスショックが起きた2014年あたりで為替値は上昇し、乖離しました。

EUR/JPY
EUR/JPYのPPPは為替値より20円程度上です。

GBP/JPY
2013年以降PPPは安定しています。2009年以降は為替値はPPP値のバンドに追随しているように見えます。2020年では、PPP値は為替値より上にいます。レンジを形成しやすい状況となっていると思います。

NZD/JPY
PPPは2013年以降一定しています。年為替値もそれほど振れ幅なく漸近しています。CAD/JPYと同じく取り扱いしやすいペアに見えます。レンジを形成しやすい状況となっていると思います。

USD/JPY
PPP値は2013年以降安定しています。また、為替値も2016年以降安定しています。レンジを形成しやすい状況となっていると思います。

MXN/JPY
PPPはまだ下落傾向にあります。為替も一定のGAPを維持しながら下落しています。どこかのタイミングで為替値が上昇してクロスするのでしょうが、今の所その傾向は見られません。

THB/JPY
THB/JPYのPPPは下落しつづけていますが、2020年に跳ね上がりました。為替値は上昇しつづけており、ここ数年のうちにクロスする可能性があります。

その他 購買力平価
AUD/NZD
AUZ/NZDのPPPはここ20年0.97-1.1程度で安定しています。為替値は1.0に反発線がありますが、PPPは1.0を切っています。どこかのタイミングで1.0を割ってもおかしくはありません。レンジを形成しやすい状況となっていると思います。

EUR/AUD
EUR/AUDのPPPは上昇し続けています。今後レンジ相場に移行するかは難しいところです。

EUR/GBP
EUR/GBPのPPPはゆるやかに上昇しています。

USD/CHF
PPPは下落をつづけていますが、為替値は比較的安定しています。トレンドを見ると、為替値は今後上向くのではと考えています。

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